――王座獲得から一か月経ちました。コロナ禍の中なので最小限に抑えてはいるのでしょうが、チャンピオンとしてのお仕事に励まれたと思います。世界王者になったという実感はいかがですか?
そうですね。挨拶に行かせて頂いて皆様から「おめでとう」と言って頂けるとやはりその都度実感します。
――その中で世界王者になったと強く実感するような印象的な出来事はありましたか?
はい。僕の出身地である東員町(三重県)でチャリティーイベントを開かせて頂いた時に、想像以上の人に集まって頂いて驚きました。
小さいころから知っている方から、全く面識がない方もいらして、すごい事をしたんだな、と強く実感しました。
――それは嬉しかった事でしょう。地元の皆さんにとっては我が町のヒーローでしょうからね!
そして、地元三重県でボクシングを始めた時からの目標である「世界王者」に遂になりましたね。その具体的な夢が叶った今、次なる夢(目標)というのはどのような事を思い描いていますか?
はい。有難いことに王座獲得前から多くの記者さんから統一戦、複数階級制覇等、色々な期待を持った質問を頂いていたので、ぼんやりとですが先の事も考えていました。
今後、自分の体の状況によって適した階級に上げていく可能性はありますが、自分にとってベストな階級で長く防衛していきたいと思っています。
連続防衛記録に挑戦していきたいというのが今の目標ですね。そして、その過程で統一戦や複数階級制覇があると思っています。
統一戦等は自分の希望だけで行う事は出来ないと思いますが、防衛戦はその階級で王者である限り必ず行えます。
厳しい道のりですがやりがいを感じます!
――コツコツと積み上げていける中谷選手には適した目標に思えますね。楽しみです!
ところで、世界王座獲得という夢が叶った瞬間、もっと喜びを爆発させる姿が見れると思いましたが、意外なほどに冷静でしたね。
そうですね。自分でも意外でした(笑)。もっと泣いたりするのかな、って。家族が喜んでいるのを冷静に見れていましたね。
自分自身も獲得前から色々な方にもっと先の事を期待されていて、通過点だという気持ちに自然となっていたのかな、と思います。そして今はこれがスタートだとも強く思います。そして、感情が爆発する瞬間を今後味わいたいとも思っています。
それにはやはり強敵=負けるかも、って思われる試合に挑んで勝っていきたいですね。
――こちらも冷静な中谷選手を見て冷静になってしまいました(笑)。ちなみに世界戦のファイトマネーの使い道はどのようにお使いになりましたか?
はい、実はスパーリング道具一式を一新しました!
――え?それだけですか?
はい(笑)
――世界王者でも変わらず中谷潤人ですね。私だったら今まで我慢した分、銀座で接待を伴う飲食店ぐらい行きます(笑)。是非、ご一緒させてくださいよ!
ご一緒出来ません(苦笑)
――すいませんでした(泣)。ちなみにこの前ジムにサーターアンダギーの差し入れをして下さいましたよね。そして旅行に行きたい場所として沖縄を挙げていました。さらに中学の就学旅行の際に出会った沖縄で戦争体験の語り部さんと連絡が続いていると知りました。それらは全て繋がっているのですか?
はい、そうです。
サーターアンダギーはその方がたくさん送ってくださいました!修学旅行時にガイドをして頂いた方で、お話を色々と聞かせて頂いたんです。
その後、学校の授業でお礼の手紙を書く授業があり、そこで自分が感じた事を手紙に書かせて頂きました。
ガイドさんも僕の事を覚えて下さっていて当時の先生が僕のボクシングの事を報告して下さっていたそうです。そして「とん丸」がオープンした際にお電話を頂きました。ずっと僕の事を気にして下さっていたそうでブログも読んで下さっていたそうです。
それで会いに行きたいと強く思うようになりました。今は(コロナ禍において)旅行に行ける状況ではないですが、先延ばしにせずに近い将来会いに行きたいですね。
――素晴らしいお話を有難うございました。
では最後に、これからどのような王者になりたいですか?
世界王者として社会奉仕活動に積極的に励ませて頂きたいと思っています。
僕が世界王者になれたのも色々な方のサポートがあったからこそです。自分がしてきていただいた事を今度は僕が子供たちや困っている人たち、社会にお返しさせて頂きたい。
ボクシングにだけ打込んで来た自分が社会に貢献出来るというのは大変光栄なことであり、世界王者だからこそ出来る事でもあると思うのでどんどんさせて頂きたいと思っております。
――施されたら施し返す。恩返し、ですね。今後のご活躍楽しみにしております。本日は色々とお話聞かせて頂き有難うございまいした。
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